このテーマも関係のある部分だけピックアップしておくだけで良いと思います。
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ありがとうございます。
[3] 各足場の共通の規則
法第23条,安衛則第 559条から第564条、同第567条および同第568条関係法第23条の規定により、一般的に事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について,設備に対して行う保全に必要な措置,生命の保持のために必要な措置等を講じなければならないことになっているが,以下ここでは,特に各種の足場に対する共通の規制事項を掲げることにします。
(a) 材料等(安衛則第559条,第560条)
(1) 足場の材料については,著しい損傷、変形または腐食のあるものを使用してはならないことになっています。特に足場に使用する木材については、強度上著しい欠点となる割れ、虫食い,節,繊維の傾斜等がなく,かつ,木皮を取り除いたものでなければ使用してはなりません(安衛則第 559条)
(2) 鋼管足場に使用する鋼管については,日本工業規格(JIS A 8951 鋼管足場)に定めるような(下の表 単管足場, 枠組み足場 を参照) の鋼管を使用することが原則とされているが,しかしこれ以外の鋼管についても、一定の水準以上のものであれば使用を禁止してはいません。
種 類 | 外 径 (mm) | 厚 さ (mm) |
STK51 | 48.6 | 2.5 |
種 類 | 外径(mm) | 厚さ(mm) |
部 材 |
STK41またはSTK51 |
42.7 |
2.5 | 脚柱および横架材 |
34.0 | 2.3 | 補剛材 | |
27.2 | 2.0 | 補剛材 | |
21.7 | 2.0 | 交さ筋交い |
(3) 鋼管足場に使用する附属金具については,上記規格に定める継手金具および緊結金具を使用することが原則とされていますが,しかしこれら以外のものについても、一定の水準以上のものであれば使用を禁止するものではありません。
(b) 足場の構造(安衛則第561条)
このことは、足場部材の材質が非常に優れたものであっても,部材が構造的に丈夫でないと、足場を組み立てたときに構造物全体として強度が不足したり、不安定になったりして倒壊等の原因となるからです。
(c) 作業床の最大積載荷重(安衛則第562条)
作業床の最大積載荷重については、次の(1) から (3) までによることになっています。
(1) 足場の構造および材料に応じて、最大積載荷重を定め,かつ,これをこえて積載してはなりません。
(2) 前記(1) の最大積載荷重を定める際、つり足場にあっては、ワイヤロープおよびつり鋼線の安全係数が10以上, つり鎖およびフックの安全係数が5以上並びにつり鋼帯並びにつり足場下部および上部の支点の安全係数が鋼材にあっては2.5以上、木材にあっては5以上となるようにしなければなりません。
(3) 前記(1)の最大積載荷重を定めたときは,労働者にこれを周知させなければなりません。
(d) 作業床の設置(安衛則第 563条)
足場(一側足場を除く)における高さ2m 以上の作業場所には,次により作業床を設けなければなりません。
(1) 床材は、定められた積載荷重による曲げ応力が, 下の表 の許容曲げ応力をこえないようにしなければなりません。
木材の種類 | 許容曲げ応力
(kg/㎠) |
あかまつ,くろまつ,からまつ,ひば、ひのき,つがべいまつ,べいひ |
130 |
すぎ,もみ,えぞまつ,とどまつ,べいすぎ,べいつが |
105 |
かし | 195 |
くり,なら,ぶな,けやき |
150 |
アピトンまたはカボールをフェノール樹脂により接着した合板 | 165 |
(2) つり足場の場合を除き,幅は 40 cm 以上として、床材間のすき間は,3cm以下とすること.
(3) 墜落のおそれのある場合には、作業床に丈夫で,適切な高さの手すりを設けることただし,手すりの設置が困難な場合には,これに代わるものとして安全ネットの設置または命綱等を使用すること.
(4) 腕木,布,はり,脚立その他作業床の支持物は,これにかかる荷重によって破壊するおそれのないものを使用すること
(5) 床材は,原則として支持物に固定すること。ただし、足場板(幅20cm 以上,厚さ3.5cm以上, 長さ3.6m以上のもの)を3点支持として使用する場合には固定しなくてもよい。しかし、この場合でも、外れたり、天びんにならないようにのせる注意が必要です。
(e) 足場の組立て等の作業(安衛則第564条)
つり足場(ゴンドラを除く),張出し足場または高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体または変更の作業を行うときは,次の措置を講ずることになっている。
(1) 組立て、解体または変更の時期,範囲および順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。
(2) 組立て、解体または変更の作業を行う区域内には,関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること
(3) 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは,作業を中止すること.
(4) 足場材の緊結,取外し,受渡し等の作業にあっては,幅20cm 以上の足場板を設け,労働者に命綱を使用させる等労働者の墜落による危険を防止するための措置を講ずること.
(5) 材料,器具,工具等を上げ,または下ろすときは、つり綱,つり袋等を労働者に使用させること
(f) 足場の点検、補修等(安衛則第 567条)
強風, 大雨大雪等の悪天候もしくは中度以上の地震または足場の組立て,一部解体もしくは変更の後において,足場における作業を行うときは,作業を開始する前に,次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならないことになっています。
(1) 床材の損傷、取付けおよび架け渡しの状態.
(2) 建地,布、腕木等の緊結部,接続部および取付部のゆるみの状態.
(3) 緊結材および緊結金具の損傷および腐食の状態.
(4) 手すり等の取外しおよび脱落の有無。
(5) 脚部の沈下および動の状態。
(6) 筋かい,控え,壁つなぎ等の補強材の取付状態および取外しの有無.
(7) 建地,布および腕木の損傷の有無.
(8) 突りょうとつり索との取付部の状態およびつり装置の歯止めの機能.
(g) つり足場の点検(安衛則第568 条)
つり足場における作業を行うときは,その日の作業を開始する前に、前記(f)の (1) から (4) まで,(6) および (8) に掲げる事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならないことになっている.
(4) 丸太足場についての規制 安衛則第569条関係
各足場に関する共通の規制事項については,前記 (3) において明らかにしたが,丸太足場の場合は [3] によるほか,次の事項にかかわる規制に適合したものでなければ使用してはならないことになっています。
(1) 建地の間隔,地上第一の布の高さ。
(2) 建地の脚部の移動,沈下の防止措置.
(3) 建地の継ぎ足し方法.
(4) 丸太の緊結方法、
(5) 筋かいによる補強.
(6) 壁つなぎおよび控えの設置間隔,使用材料および構造.
(5) 鋼管足場についての規制
安衛則第 570条から第 573条までの関係.
鋼管足場についても丸太足場の場合と同様に,前記 (3) によるほか,次の (a) から (d)までによらなければならないことになっている。
(a) 鋼管足場の構成(安衛則第570条)
鋼管足場については、次の事項に適合したものでなければ使用してはいけません。
(1) 足場(移動式足場を除く)の脚部には、足場の滑動または沈下を防止するため、ベース金具を用い,かつ,收板、敗角等を用い,根がらみを設ける等の措置を講ずること、
(2) 移動式足場にあっては、不意に移動することを防止するため、ブレーキ、歯止め等で脚輪を確実に固定させ、足場の一部を堅固な建設物に固定させる等の措置を講ずること。
(3) 鋼管の接続部または交さ部は、これに適合した付属金具を用いて、確実に接続し,または緊結すること.
(4) 筋かいで補強すること.
(5) 一側足場,本足場または張出し足場であるものにあっては、次により壁つなぎまたは控えを設けること、
(i) 間隔は,以下の表による
鋼管足場の種類 | 間隔(m) | 間隔(m) |
垂直方向 | 水平方向 | |
単管足場 | 5m以下 | 5.5m以下 |
わく組足場 (高さが5m 未満のものを除く) |
9m以下 | 8m以下 |
(ii) 鋼管,丸太等の材料を用いて,堅固なものとすること
(iii) 引張材と圧縮材とで構成されているものであるときは,引張材と圧縮材との間隔は, 1m 以内とすること.
(6) 架空電路に近接して足場を設けるときは,架空電路を移設し、架空電路に絶縁用防護具を装着する等架空電路との接触を防止するための措置を講ずること、なお,壁つなぎの設置間隔等が上記の規制からやむをえず外れる場合は,これに代わる措置として建地と布を筋かい等で補強しなければならないことになっているます。
(b) 鋼管足場規格に適合した材料を用いた単管足場(安衛則第571条)
鋼管足場規格に適合した材料を用いた単管足場については,前記(a) の (1) から(6) までによるほか,次の事項によることになっています。
(1) 建地の間隔は,けた行方向を 1.85 m 以下,はり間方向は1.5 m 以下とすること
(2) 地上第一の布は、2m以下の位置に設けること.
(3) 建地の最高部から測って 31 m をこえる部分の建地は,鋼管を2本組とすること。
(4) 建地間の積載荷重は,400 kg を限度とすること.
なお,建地の間隔,地上第一の布の高さおよび積載荷重については、適切な検討および対策が行われた場合には、この限りでない.
(c) 鋼管足場規格に適合した機材を用いたわく組足場(安衛則第571条)
鋼管足場規格に適合した機材を用いたわく組足場については,前記(a) の(1) から (6) までによるほか、次の事項によることになっています。
(1) 最上層および5層以内ごとに水平材を設けること.
(2) はりわくおよび持送りわくは,水平筋かいその他によって横振れを防止する措置を講ずること、
(3) 高さ20 m をこえるときおよび重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主わくは高さ2m以下のものとし,かつ,主わく間の間隔は1.85 m 以下とすること。
(d) その他(安衛則第572条,第573条)
上記の(a)および(b)以外の鋼管足場についても,その使用機材等の性能について適切な判断を下されたものであれば使用することができます。
なお、外観上同一の鋼管と思われるものでも材質が異なる場合があるので識別策を講じておく必要があります。
(6) つり足場についての規制
安衛則第 574 条および第 575 条関係
つりだな足場,つりわく足場等については,次の構造上の基準と使用上の基準に適合したものでなければならないとされています。
(a) 構造上の基準(安衛則第 574条)
(1) つりワイヤロープは,次のいずれかに該当するものを使用しないこと.
(i) ワイヤロープ1よりの間において素線(フィラー線を除く)の数の 10%以上の素線(フィラー線を除く)が切断しているもの.
(ii) 直径の減少が公称径の7%をこえるもの.
(iii) キンクしたもの.
(iv) 著しい形くずれまたは腐食があるもの.
(2) つり鎖は,次のいずれかに該当するものを使用しないこと.
(i) 伸びが,当該つり鎖が製造されたときの長さの5%をこえるもの.
(ii) リンクの断面の直径の減少が,当該つり鎖が製造されたときの当該リンクの断面の直径の10%をこえるもの.
(iii) き裂があるもの
(3) つり鋼線およびつり鋼帯は,著しい損傷、変形または腐食のあるものを使用しないこと。
(4) つり繊維索は,次のいずれかに該当するものを使用しないこと。
(i) ストランドが切断しているもの.
(ii) 著しい損傷または腐食があるもの.
(5) つりワイヤロープ,つり鎖,つり鋼線,つり鋼帯またはつり繊維索は,その一端を足場けた、スターラップ等に、他端を突りょう, アンカーボルト,建築物のはり等にそれぞれ確実に取り付けること
(6) 作業床は,幅40cm以上とし,かつ,すき間がないようにすること、
(7) 床材は,転位し、または脱落しないように,足場けた, スターラップ等に取り付けること、
(8) 足場けた, スターラップ,作業床等に控えを設ける等動揺または転位を防止するための措置を講ずること
(9) たな足場であるものにあっては,けたの接続部および交さ部は,鉄線,
継手金具または緊結金具を用いて,確実に接続し,または緊結すること.
なお、前記 (6) の規定については、作業床の下方または側方に網またはシートを
設ける等墜落または物体の落下による労働者の危険を防止するための措置を講ず
るときは,適用されないことになっています。
(b) 使用上の基準(安衛則第575条)
つり足場の上で,脚立,はしご等を用いて労働者に作業をさせてはならないことになっています。
色々大変に感じたかもしれませんが
足場の設置時には赤いマーカの部分を注意してください。
わかりました。